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むかしむかしの放浪記⑭

次の日、僕らは成都の街に繰り出した。

その前に、このホテルはマジで快適だった。

僕らの貧乏旅行には似つかないほど、あまりにも豪華(日本ではそこまで高級ということはないが。)だった。

今までのホテルが安宿だったし、シャワーが水ってのもあったしね。

それに旅も長くなって身体がきつかったということもある。少しはゆっくりと休みたい。そんなことでここはよかった。・・・・・でも僕はこの後一人大変なことになるのだが、それは後ほど。

僕らは念願の『陳麻婆豆腐店』へ向かった。

ガイド片手に店探し、でもどうしても見つからない。そんな訳ないとグルグル、グルグルと歩き続けたが、とうとう見つけることは出来ず、3人とも疲れて諦めた。

「なんで?」「マジかよ!」中々諦めがつかなかったが、腹も減ったし、何か食おうということになり、近くにあった食堂へ。入口は全開放、窓やサッシもないの。開けっぴろげの店。

メニューを見ると1品だけ。〇〇湯と書いてあるので何かスープのようなモノかな?と想像して3人で頼んでみた。

出て来たモノは正しくスープ。しかも真っ赤。唐辛子の赤さだ。四川料理は辛いと聞いていたので驚きはしなかったが、恐る恐るスープを一口。「ウ?そんなに辛くないじゃん」「結構旨いぞ」中には春雨?米粉?のような麺が少し入っていた。

お腹も空いていたし、旨かったので一気に食べた。

行きたい店には行けなかったけど、腹もいっぱいになったしそのあと街を散策して夕方ホテルに帰った。

後で分かったことだけど、「陳麻婆豆腐店」はこの時改装中でお店は休みだったらしい。

そして僕の身に降りかかる事件はこの夜に起こる。事件の引き金は明るいうちに始まっていたのだが・・・・

この続きは次回。

 

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